呼吸用保護具を適正に着用し粉じん障害を予防しましょう!
第9次粉じん障害防止総合対策に示される
粉じん障害防止のための呼吸用保護具に関連する実施事項
厚生労働省は粉じん作業に従事する労働者の粉じん障害を防ぐために第9次粉じん障害防止総合対策(推進期間平成30年度~平成34年度)を策定し、事業者が労働者を粉じん障害から守るために講ずべき措置を示し推進しています。
本総合対策の重点事項の一つとして「呼吸用保護具の使用の徹底及び適正な使用の推進」が示されています。防じんマスクや電動ファン付き呼吸用保護具などの呼吸用保護具の着用は業種や職種を問わず労働者の粉じんばく露防止に有効です。
このページでは「呼吸用保護具の使用の徹底及び適正な使用の推進」について呼吸用保護具に関わる実施事項をまとめました。呼吸用保護具を適正に着用し、粉じん障害から身体を守りましょう。
第9次粉じん障害防止総合対策の重点事項
「呼吸用保護具の使用の徹底及び適正な使用の推進」に示される実施事項
1. 保護具着用管理責任者の選任
- (1)保護具着用管理責任者とは
事業者に指名された者で、呼吸用保護具について管理する者です。保護具着用管理責任者は現場毎に指名されます。指名と選任については平成17年2月7日付け基発第0207006号「防じんマスクの選択、使用等について」に示されています。 - (2)保護具着用管理責任者の選任について
事業者は作業場毎に「保護具着用管理責任者」を、衛生管理者、安全衛生推進者又は衛生推進者等労働衛生に関する知識、経験等を有する者から選任します。
2. 呼吸用保護具の適正な選択、使用及び保守管理の推進
- (1)防じんマスクの使用の必要性の教育
事業者は労働者に対し防じんマスクの必要性の教育を行うことが必要です。防じんマスクなど呼吸用保護具の着用が必要な作業は粉じん障害防止規則第27条に示されています。 - (2)保護具着用管理責任者が実施する事項
保護具着用管理責任者が実施する事項の詳細は平成17年2月7日付け基発第0207006号「防じんマスクの選択、使用等について」に示されています。
第9次粉じん障害防止総合対策では保護具着用責任者の職務のうち、重点的に実施しなければならない事項が以下のように示されています。
- (3)保護具着用管理責任者が実施する事項の実施方法
- ① 呼吸用保護具の選択、使用、顔面への密着性の確認等に関する指導
- 〇呼吸用保護具の種類の選択について
・平成17年2月7日付け基発第0207006号「防じんマスクの選択、使用等について」を参照し呼吸用保護具の種類を選択します。 - 〇呼吸用保護具の使用について
・平成17年2月7日付け基発第0207006号「防じんマスクの選択、使用等について」を参照します。 - 〇呼吸用保護具の密着性の確認方法
ご使用の製品の取扱説明書に従って行ってください。
- 〇呼吸用保護具の種類の選択について
- ② 呼吸用保護具の保守管理及び廃棄
ご使用の製品の取扱説明書に従って行ってください。
- ③ 呼吸用保護具のフィルタの交換の基準を定め、フィルタの交換を記録する
台帳を整備すること等フィルタ交換の管理ご使用の製品のメーカーにお問い合わせください。
- ① 呼吸用保護具の選択、使用、顔面への密着性の確認等に関する指導
- (4)その他、特筆事項
- 1) 顔面とマスクの接地面に皮膚障害がある場合等は、漏れ率の測定やご使用の製品のメーカー、若しくは保護具アドバイザー※に相談することなどにより呼吸用保護具の適正な使用を確保しましょう。
※保護具アドバイザー = 公益社団法人日本保安用品協会が実施する「保護具アドバイザー養成・確保等事業」によって養成された者
- 2) 解体作業等において、法令上必要にもかかわらず現場監督など事業者側の判断により防じんマスクなどを外させることは認められません。
- 1) 顔面とマスクの接地面に皮膚障害がある場合等は、漏れ率の測定やご使用の製品のメーカー、若しくは保護具アドバイザー※に相談することなどにより呼吸用保護具の適正な使用を確保しましょう。
☆「呼吸用保護具の適正な選択、使用及び保守管理の推進」についてのご質問ご相談はご使用の製品のメーカーへお問い合わせください。
3. 電動ファン付き呼吸用保護具の活用
- (1)電動ファン付き呼吸用保護具を活用しましょう
電動ファン付き呼吸用保護具は粉じん則などで特定の作業に労働者を従事させる場合に着用が義務付けられていますが、その性能の高さから着用が義務付けられている作業以外においても活用が推奨されています。
- (2)電動ファン付き呼吸用保護具の形状
電動ファン付き呼吸用保護具は様々な形状の製品があります。用途に合わせて適したものを選択し使用しましょう。
電動ファン付き呼吸用保護具の選定のお問い合わせは日本呼吸用保護具工業会会員会社へお問い合わせください。 - (3)じん肺が発症した時の電動ファン付き呼吸用保護具の活用
じん肺法20条の3の規定ではじん肺管理区分が管理二又は管理三イである労働者について、粉じんにさらされる程度を低減させるため、就業場所の変更、粉じん作業に従事する作業時間の短縮その他の適切な措置を講ずるよう努めなければならないと示されています。
電動ファン付き呼吸用保護具の使用は、防じんマスクを使用する場合と比べて、一般的に防護係数が高く身体負荷が軽減されるなどの観点から、じん肺法20条の3の規定により「粉じんにさらされる程度を低減させるための措置」の一つとして使用することができます。